東本願寺
近畿
東本願寺
「東本願寺」(ひがしほんがんじ:京都府京都市下京区)は、「浄土真宗」(じょうどしんしゅう)の「真宗大谷派」(しんしゅうおおたには)の総本山です。東本願寺というのは通称で、「西本願寺」(京都府京都市下京区)の東に位置することから、この通称で呼ばれるようになりました。東本願寺の正式名称は「真宗本廟」(しんしゅうほんびょう)であり、京都市民からは「お東」、「お東さん」の愛称で親しまれています。浄土真宗の宗祖は「親鸞」(しんらん)で、派閥は違いますが西本願寺と同じ。東本願寺は、本願寺11代宗主「顕如」(けんにょ)の後継者を巡って、本願寺が東と西に分裂したことにより誕生しました。東本願寺の歴史と特徴、見どころなどについて詳しくご紹介します。
東本願寺
京都府
国宝/重要文化財

東本願寺の概要
京都府京都市の東本願寺は、今でこそ東西に分裂した東の本願寺という位置付けですが、もともと1272年(文永9年)に、浄土真宗の宗祖・親鸞の末娘「覚信尼」(かくしんに)が、京都の東山に「大谷廟堂」(おおたにびょうどう:京都府京都市東山区)を創建したのが始まりです。
その後、本願寺11代宗主であった顕如の後継者を巡り、隠退の処分を受けた顕如の長男「教如」(きょうの)が新たな寺院を建立したことにより、本願寺は東西に分裂しました。西本願寺の方が歴史も建造物も古いため、国宝と重要文化財に指定されている物が多いとされますが、一方で東本願寺も文化財を多数所蔵。
親鸞の御真影(ごしんねい:肖像画)を安置している「御影堂」(ごえいどう)をはじめ、「阿弥陀堂」、「鐘楼」(しょうろう)など、数多くの建造物が重要文化財に指定されています。また、「鸞恩くん」(らんおんくん)、「蓮ちゃん」(れんちゃん)、「あかほんくん」は東本願寺公式キャラクターの名前。2011年(平成23年)に全国からデザインを募集し、3つのキャラクターが選ばれました。現在は、東本願寺の公式キャラクターとして様々な場で活躍しています。
東本願寺の歴史
東本願寺の始まりは、西本願寺と同じく1272年(文永9年)に、浄土真宗の宗祖・親鸞の末娘である覚信尼が建立した大谷廟堂。ここでは本願寺が東西に分裂するきっかけとなった、東本願寺創立に関する歴史をご紹介します。
京都の東山にあった本願寺は、山科(やましな:京都府京都市山科区)、大坂の石山(現在の大阪府大阪市中央区)と場所を転々としますが、11代宗主・顕如の時代に「織田信長」との戦いに敗れたことで石山から退去。のちの1585年(天正13年)に、「豊臣秀吉」から大坂の天満(てんま:大阪府大阪市北区)に寺領を与えられて再興します。
1591年(天正19年)には、新たに京都の七条堀川(京都府京都市下京区)に寺領を与えられて移転し、これが現在の西本願寺となります。その後、11代宗主・顕如が亡くなり、一度は顕如の長男・教如が本願寺を継ぎますが、教如は豊臣秀吉から隠退の処分を受け、顕如の三男「准如」(じゅんにょ)が本願寺を継承。
しかし、隠退の処分を受けた教如は、その後も活動を続けて「徳川家康」に近づくと、1602年(慶長7年)には、京都の烏丸(からすま)の寺領を徳川家康から寄進されます。そして、翌1603年(慶長8年)には、阿弥陀堂を建立し、さらに1604年(慶長9年)に御影堂を建立。やがて東本願寺と呼ばれるようになりました。
東本願寺の特徴と文化財

東本願寺も多くの建造物が、重要文化財に指定されています。なかでも御影堂は、親鸞の御真影が安置される重要な建物であり、世界的にも珍しい木造の巨大建造物です。
現在の御影堂は1895年(明治28年)に再建された物で、2011年(平成23年)には、大規模な修復が行われました。門は正面21m、側面13m、高さ27mもの大きさであり、木造建築の山門として世界でも最大級。木造建築の二重門としては日本一と言われています。
阿弥陀堂は、本尊である阿弥陀如来像を安置する御堂で、1895年(明治28年)に再建されました。また、阿弥陀堂門は、御影堂門の南側に建つ、切妻造(きりつまづくり:屋根の最頂部から2つの傾斜面が地上に向かっている形式)、唐破風(からはふ:中央部を凸型に、両端部を凹型の曲線状にした屋根の造形)付きの四脚門(しきゃくもん:4本柱の門)です。明治時代に火災で焼失しましたが、1911年(明治44年)に再建されました。
鐘楼には、朝の勤行の合図、法要の前に撞かれる鐘が吊るされています。現在あるのは、2010年(平成22年)に、約400年ぶりに新調された物。これらの建造物は、いずれも国の重要文化財に指定されています。
東本願寺の年中行事と見どころ

東本願寺では、年間を通して多くの年中行事が行われますが、その中でも特に重要な行事のひとつが「報恩講」(ほうおんこう)。毎年11月21~28日に行われるこの法要は、浄土真宗門徒にとって最も大切な仏事のひとつでもあり、浄土真宗の宗祖・親鸞の命日まで1週間にわたり行われます。
11月25日には、親鸞の生涯が書かれた「御伝鈔」(ごでんしょう)を拝読。11月28日には、体を前後左右に大きく揺らしながら念仏、和讃(わさん:仏、先祖などを賛美した和歌)が詠まれる「坂東曲」(ばんどうぶし)が行われます。また、東本願寺の見どころとしては、建物の他に「渉成園」(しょうせいえん)と名付けられた「池泉回遊式庭園」(ちせんかいゆうしきていえん)が存在。
渉成園は、東本願寺の飛地境内地(とびちけいだいち)にある庭園であり、戦国武将で文人の「石川丈山」(いしかわじょうざん)によって作庭されました。飛地境内という文言からも分かる通り、渉成園は東本願寺から少し離れた、徒歩約3分の場所にある庭園。
印月池(いんげつち)と呼ばれる巨大な池の周辺、池に架かる橋の眺めは非常に美しく絶景です。季節によって姿を変える庭園の景観は「十三景」と称され、国の名勝に指定。自然美と建築美が見事に調和した渉成園は一見の価値があります。
東本願寺情報
| 古寺名称 | 東本願寺 |
|---|---|
| 所在地 | 〒600-8505 京都府京都市下京区烏丸通七条上る |
| アクセス |
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| 拝観時間 | 3~10月 5:50~17:30 |
| 拝観料 | 無料 |
| 文化財 |
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