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日本の名園・庭園100選

日本の名園・庭園 100選香川県

中津万象園

庭園の分類
  • 大名庭園
  • 城郭庭園/丸亀城
庭園の時代
  • 現代/昭和

「中津万象園」(なかづばんしょうえん)は、香川県丸亀市にある大名庭園です。万象園とも呼ばれ、「森羅万象」(しんらばんしょう:宇宙に存在するすべての物事)を表すとされる庭園の面積は約35,000㎡。園内にはミレーやルソーなど、バルビゾン派の絵画を所蔵する「丸亀美術館」もあります。また、100本の鳥居回廊はフォトジェニックな撮影スポットとしても有名。ここでは中津万象園の特徴や見どころをはじめ、関連する城や大名について解説します。

中津万象園の施設情報中津万象園の施設情報

中津万象園の施設概要

中津万象園の邀月橋

中津万象園は、「讃岐国」(さぬきのくに:現在の香川県)の「丸亀藩」2代藩主である「京極高豊」(きょうごくたかとよ)により中津別邸として造られました。四国のなかでは、特別名勝である「栗林公園」(りつりんこうえん:香川県高松市)に次ぐ、大規模な庭園です。1975年(昭和50年)に、丸亀市の名勝に指定されています。

中津万象園は所有者を転々とし、一時は荒廃したこともありました。しかし、現代を代表する庭師である「中根金作」(なかねきんさく)の監修で1982年(昭和57年)に整備修復が完成しました。

京極家と茶道

中津万象園は「中津御茶所」とも呼ばれ、かつて園内に数ヵ所の茶室がありました。現在も残る「観潮楼」(かんちょうろう)は日本最古の茶室であることに加え、珍しい高床式。当時は観潮楼から庭園内だけでなく、瀬戸内海まで見渡せました。「京極にすぎたるものが三つある にっかり茶壷に多賀越中」という江戸時代の狂歌(社会風刺やしゃれを盛り込んだ短歌)があります。京極家が所有する三つの名品を歌っており、「にっかり」とは名刀「にっかり青江」のこと、「茶壷」は「野々村仁清」(ののむらにんせい)が作った茶壷のこと、「多賀越中」とは京極家代々の重臣のことです。野々村仁清の代表作である色絵茶壷の多くが京極家所有であることからも、京極家と茶道の深い関係が分かります。

中津万象園の由来

森羅万象を表す、中津万象園の名前の由来は、「野村素軒」(のむらそけん:書家としての雅号で本名は野村素介[のむらもとすけ])が、茶屋の額に「万象園」と書いたことだと言われます。野村素軒は各地に数々の筆跡を残し、「長州三筆」に挙げられる書家。観潮楼隣の母屋(茶室)で万象園の額を見ることが可能です。

中津万象園に関連する城・大名

丸亀城

丸亀城

丸亀城は香川県丸亀市にあります。標高約66mの亀山にあることから、別名は「亀山城」。石垣の名城として知られ、石垣の高さは日本一です。三の丸北側の石垣が20m以上でもっとも高く、「扇の勾配」と呼ばれる美しい曲線美は必見。他にも切り込みハギ(石を削り精加工した石を用いて、石の合わせ口を精巧に隙間なく積んだもの)や野面積み(のづらづみ:大きさや形の違う自然石を用いた積み方)、算木積み(さんぎづみ:大面と小面を交互に組み合わせ、小面の角石の横には角脇石を配すること)など、当時の最高水準とされる石垣の構築技術が駆使されているのが特徴です。

丸亀城は、室町時代初期に守護大名「細川頼之」(ほそかわよりゆき)の重臣「奈良元安」(ならもとやす)が亀山に砦を築いたことがはじまりとされています。その後、豊臣政権の時代に高松城を本城としていた「生駒親正」(いこまちかまさ)が息子の「生駒一正」(いこまかずまさ)とともに、高松城の支城として丸亀城を1597年(慶長2年)から築城しました。丸亀城は日本一小さいと言われる木造天守を持つ独立式層塔型天守です。全国に12ヵ所しか現存していない天守のひとつとして国宝に指定されています。

山崎家治(やまざきいえはる)

肥後国(ひごのくに:現在の熊本県)の富岡城主である山崎家治は、1594年(文禄3年)に、摂津国(せっつのくに:現在の大阪府北中部と兵庫県南東部)三田城主であった「山崎家盛」の長男として生まれました。1641年(寛永18年)に丸亀藩を立藩し、1642年(寛永19年)には、1615年(元和元年)の一国一城令によって廃城となった丸亀城の新城造営を計画し、江戸幕府から築城を許可されます。そして、山崎家治は丸亀城の再興と城下町の整備に尽くしました。しかし、山崎家は3代で無嗣断絶(むしだんぜつ:跡継ぎがいないまま、家が存在しなくなること)し、代わりに播磨国(はりまのくに:現在の兵庫県南西部)藩主「京極高和」(きょうごくたかかず)が入封(にゅうほう:土地を与えられ、その領地に入ること)することとなります。

京極高和(きょうごくたかかず)

京極高和は、1619年(元和5年)に若狭国(わかさのくに:現在の福井県)小浜藩2代藩主「京極忠高」(きょうごくただたか)の弟である「安毛高政」(あたげたかまさ)の長男として生まれました。
山崎家の代わりに丸亀城の修築を引き継ぎ、1660年(万治3年)には、丸亀城の天守を完成させます。その他にも城内屋敷の建造や大手門の移動などを行い、1673年(延宝元年)には大改修は完了。現存する石垣の大半は、この改修の際に完成したと言われています。

京極高豊(きょうごくたかとよ)

京極高豊は播磨国に生まれましたが、父「京極高和」の移封(いほう:幕府の命令により大名を他の領地へ移すこと)に伴い、3歳のときに讃岐国丸亀藩へ移りました。1676年(延宝4年)から丸亀城を居城としています。京極高豊は、茶道や詩歌、絵などの文化に造詣が深い人物。自らも絵筆を取るなど、芸術的才能に恵まれていました。京極家が保有していた野々村仁清作の茶壷は、ほとんどが京極高豊の時代に集められたと言われています。

中津万象園の特徴・様式

池泉回遊式庭園

中津万象園は「池泉回遊式庭園」(ちせんかいゆうしきていえん)です。池泉庭園の特徴は池を庭園の中心に据えていること。回遊式とは、園内を歩いて景色を楽しむ様式です。
回遊式庭園には他に「舟遊式」(しゅうゆうしき)と「鑑賞式」があります。舟遊式は、池に舟を浮かべて鑑賞する様式。鑑賞式は書院などの室内から庭園を眺めて楽しみます。池泉回遊式庭園は江戸時代を代表する庭園様式でした。

近江八景(おうみはっけい)

庭園は、京極家の故郷である「近江国」(おうみのくに:現在の滋賀県)の琵琶湖をイメージして造られているのが特徴です。琵琶湖をかたどった八景池には海水が引き込まれ、「近江八景」(琵琶湖周辺の代表的な8ヵ所の名勝)を模した8つの島を配置。8つの島の名前は「帆・雁・雪・雨・鐘・春嵐・月・夕映」。近江八景である「比良の暮雪」(ひらのぼせつ)・「堅田の落雁」(かたたのらくがん)・「唐崎の夜雨」(からさきのやう)・「三井の晩鐘」(みいのばんしょう)・「粟津の晴嵐」(あわづのせいらん)・「矢橋の帰帆」(やばせのきはん)・「瀬田の夕照」(せたのせきしょう)・「石山の秋月」(いしやまのしゅうげつ)から取られました。すべての島を結ぶための橋が架かっており、飛び石の「水蓮橋」や、庭園を一望できる「邀月橋」(ようげつばし)など、すべて違うデザインが楽しめます。

中津万象園の見どころ

千代の笠松

「名松100選」に指定されている大きな松です。国の天然記念物となっている「美し松」(うつくしまつ)を約300年の年月をかけて傘型に仕立てています。
樹齢は600年を超えると言われ、直径は約15m。毎年の枝葉の刈込には約30人の人手が必要とされます。茶室から笠松を見ると、そこには山があるように見えます。

鳥居回廊

鳥居回廊

京都にある伏見稲荷大社(京都府京都市伏見区)から勧請(かんじょう:本祀の神の分霊を迎えて新しく分祀の社殿に迎え入れること)されたと言われる、中津万象園の稲荷社。大笠松の脇から稲荷社へ続く道には、竹林に沿って100本の鳥居が並んでいます。京都伏見稲荷大社の千本鳥居にならって企業や個人からの奉納を募り、2019年(令和元年)に完成しました。「願いが通る」パワースポットとして、またフォトスポットとしても人気です。

石投げ地蔵尊

昔からこの地にあった地蔵菩薩で、周辺の庶民から信仰されていました。漁師・農民・商人など幅広い職種の人々が、石に願いを掛けて庭園の外から投入していたと言われます。中津万象園に入園した人は、願い事を書いて投げ入れることが可能。高く積むほどご利益があると言われます。

中津万象園の施設情報

中津万象園の施設情報についてまとめました。

フリックによる横スライド仕様となります。

フリックによる横スライド仕様となります。

施設名 中津万象園(なかづばんしょうえん)
所在地 〒763-0054 香川県丸亀市中津町25-1
アクセス JR「丸亀駅」より車で約6分
開園時間 9時30分~17時(最終受付 16時30分/入園・入館共通)
休園日 毎週水曜定休(水曜が祝祭日の場合は通常営業)
年末年始(12月29日~12月31日)
料 金 【庭園】
一般:700円、小・中学生:300円、未就学児:無料【庭園+絵画館】
一般:1,200円、小・中学生:500円、未就学児:無料
※団体(20名以上)は庭園+絵画館のセット券のみ2割引

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