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日本の名園・庭園100選

日本の名園・庭園 100選京都府

天龍寺庭園

庭園の分類
  • 寺社・寺院庭園
庭園の時代
  • 中世/室町

「天龍寺庭園」(てんりゅうじていえん)は京都市右京区にあり、禅僧「夢窓疎石」(むそうそせき:鎌倉時代末期から室町時代初期にかけて活躍した臨済宗の僧)が作庭した「曹源池庭園」(そうげんちていえん)。日本庭園最高傑作のひとつと言われています。また、天龍寺の法堂(はっとう:禅宗で住持が修行者に法を説く道場)天井には雲龍図(うんりゅうず:龍が雲の間を飛ぶ様子)が描かれており、見どころ満載です。今回はそんな魅力溢れる天龍寺庭園の概要や特徴・様式について詳しくご紹介します。

天龍寺庭園の施設情報天龍寺庭園の施設情報

天龍寺庭園の施設概要

天龍寺

大方丈と曹源池

天龍寺は、1339年(暦応[りゃくおう]2年)に、室町幕府初代将軍「足利尊氏」(あしかがたかうじ)が「後醍醐天皇」(ごだいごてんのう:鎌倉時代後期から南北朝時代を代表する天皇)を弔うため開いた寺院です。天龍寺の造営費を得るため、足利尊氏は天龍寺舟を使って元と貿易を再開します。造営費の捻出に成功した天龍寺は、「京都五山」(きょうとごさん:京都にある臨済宗の五大寺である南禅寺・天龍寺・相国寺建仁寺東福寺・万寿寺のこと)の第1位の寺格となりました。

その後、幾度となく火災に見舞われるものの復興し、1876年(明治9年)には臨済宗天龍寺派大本山となります。しかし、翌1877年(明治10年)には上地(あげち:土地を政府機関に納めること)により10分の1に縮小。様々な困難に遭いながらも復興を続け、1899年(明治32年)には法堂・大方丈(おおほうじょう:禅宗寺院における僧侶の住居)・庫裏・1924年(大正13年)には小方丈(書院)が再建されます。さらに、1934年(昭和9年)には多宝殿(たほうでん:後醍醐天皇の尊像を祀る祠堂[しどう])をはじめ、祥雲閣(しょううんかく)や甘雨亭(かんうてい)の2つの茶室も建築されました。天龍寺は、1994年(平成6年)、「古都京都の文化財」としてユネスコ世界遺産に認定・登録されます。

天龍寺境内にある曹源池庭園

方丈から見た曹源池庭園

曹源池庭園は、1344年(康永[こうえい]3年)、禅僧で作庭家でもあった夢窓疎石が天龍寺境内に造った庭園で、極楽浄土をイメージして造られたと言われています。そんな曹源池庭園は、1923年(大正12年)、日本で初めて史跡・特別名勝指定となりました。曹源池庭園は天龍寺大方丈の裏にあり、庭園の中央には曹源池、借景(しゃっけい:風景を庭園の一部として取り入れること)には亀山と嵐山を取り入れています。夢窓疎石は、天龍寺境内の中でも優れた景観を持つ10ヵ所を選び、理想郷「天龍寺十境」(てんりゅうじじゅっきょう)を再現しようとしており、そのひとつが曹源池庭園で、天龍寺十境の心臓部分でした。また、天龍寺十境には京都の人気観光地「渡月橋」(とげつきょう)や「保津峡」(ほづきょう)も選ばれており、天龍寺の敷地がいかに広大だったかが分かります。

天龍寺・曹源池庭園の特徴・様式

曹源池庭園は、大きな池を中心に、周囲を歩きながら庭園を楽しむ「池泉回遊式庭園」(ちせんかいゆうしきていえん)です。池泉回遊式庭園は桃山時代末期から江戸時代初期にかけて発達した造園技法で、代表的なものは京都「桂離宮」(かつらりきゅう)や「修学院離宮」(しゅがくいんりきゅう)、東京「六義園」(りくぎえん)や岡山「岡山後楽園」などがあります。また、嵐山や亀山を背景に取り入れた借景式庭園でもあり、雄大な景色を庭園の一部として楽しめます。また、お堂の軒下には歩道やベンチがあり、ゆっくりと庭園と眺めることも可能。「曹源池庭園」の名前には諸説あり、ひとつに作庭していた夢窓疎石が、庭園の中央にある池から泥を引き上げた際に「曹源一滴」(そうげんのいってき:一滴の水はあらゆる物の根源であるということ)と書かれた石碑が現れたことから、その池を曹源池と名付けたと言われています。その曹源池には3つの出島があり、周囲に石を配置することで庭園に広がりや奥行きを表現。

天龍寺・曹源池庭園の見どころ

借景

借景式庭園でもある曹源池庭園は、大方丈から曹源池を眺めると正面には亀山・小倉山、左側には嵐山が映り込むよう造られており、素晴らしい景観を堪能することができます。曹源池の周りをゆっくり歩きながら借景を眺めると、位置や見る角度によって様々な表情を楽しむことが可能です。天龍寺は、庭園のみ参拝できる「庭園」、庭園とお堂を楽しむことができる「諸堂」(しょどう)、法堂だけを参拝できる「法堂」の3つから参拝方法を選ぶことができます。特におすすめなのが、大方丈・小方丈(書院)の中から見る、曹源池庭園。柱や天井、軒や床などがフレームになり、1枚の絵を見ているような感覚に陥ります。静寂の庭園を楽しみたいのであれば、参拝客の少ない早い時間帯がおすすめです。

紅葉

曹源池庭園は、どの季節においても素晴らしい景色を楽しむことができますが、なかでも絶景なのが紅葉の時期です。天龍寺は紅葉の見頃が、例年11月中旬以降~12月上旬で、曹源池に映る姿は実に見事。また、白砂の白と紅葉の赤や黄のコントラストも最高です。曹源池庭園では、カエデ・イロハモミジ・ヤマモミジの3種類を楽しむことができます。10月頃から徐々に色付きはじめるので、移り変わっていく葉の色を長期間楽しむことも可能です。

法堂の雲竜図

法堂の雲竜図

天龍寺と言えば法堂の雲竜図が有名で、1997年(平成9年)「天龍寺開山夢窓国師」650年遠諱(おんき:歴代住職方の遺徳を偲んで執り行う50年に1度の法要のこと)記念事業として、日本画家「加山又造」(かやままたぞう)によって描かれました。どこから見ても龍が睨んでいるように見えることから「八方睨みの龍」と呼ばれています。

天龍寺法堂の龍には5本指が描かれていますが、これは古代の日本において龍が天皇を象徴する存在だったからです。龍には階級があり、その中でも最高位の龍には指が5本あるとされ、天皇の所持品には5本指の龍が描かれることがありました。しかし、天皇の所持品以外に5本指の龍を描くことはご法度とされていたので、明治期に描かれていた天龍寺法堂の雲竜図は3本指の龍となっています。
明治期の雲竜図は損傷が激しく、一部だけの保管となっていますが、毎年2月に大方丈で一般公開されるので自分の目で確認するチャンスです。

天龍寺庭園の施設情報

天龍寺庭園の施設情報についてまとめました。

フリックによる横スライド仕様となります。

フリックによる横スライド仕様となります。

施設名 天龍寺庭園(てんりゅうじていえん)
所在地 〒616-8385 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
アクセス ・JR山陰本線「嵯峨嵐山駅」より徒歩約10分
・京福電鉄嵐山線「嵐山駅」より徒歩約2分
開園時間 8時30分~17時30分(北門は9時~17時)
10月21日~3月20日:8時30分~17時(北門は9時~16時30分)
休園日 年中無休
料 金 高校生以上:500円、小・中学生:300円、未就学児無料

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