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日本の名園・庭園100選

日本の名園・庭園 100選長野県

興禅寺庭園 看雲庭

庭園の分類
  • 寺社・寺院庭園
庭園の時代
  • 近世/江戸

長野県木曽郡木曽町にある「興禅寺」(こうぜんじ)は、室町時代に創建されたと伝わる臨済宗妙心寺派(りんざいしゅうみょうしんじは)の寺院。興禅寺内には4つの庭園があり、そのひとつが「看雲庭」(かんうんてい)です。今回は、昭和期に日本庭園史研究家「重森三玲」(しげもりみれい)により作庭され、「日本一広い石庭」とも言われている美しい枯山水庭園である看雲庭や、興禅寺内庭園、また興禅寺にまつわる歴史などもご紹介します。

興禅寺庭園 看雲庭の施設情報興禅寺庭園 看雲庭の施設情報

興禅寺庭園 看雲庭の施設概要

看雲庭

興禅寺は1434年(永享6年)に、木曽家12代当主の「木曽信道」が、建長寺(神奈川県鎌倉市)5世である「円覚大華」を迎えて創建されたと伝得られている寺院。山号は萬松山(ばんしょうざん)で、木曽町「長福寺」、大桑村「定勝寺」とともに、木曽三大寺のひとつとして数えられており、本尊は釈迦如来像。先祖である「木曽義仲」(きそよしなか)追善供養のために建立されました。

木曽義仲の本名は「源義仲」(みなもとのよしなか)であり、「源義賢」(みなもとのよしかた)の次男として誕生。鎌倉幕府を開いた「源頼朝」(みなもとのよりとも)、その弟「源義経」(みなもとのよしつね)とは従兄弟(いとこ)に当たります。1180年(治承4年)、「以仁王の令旨」(もちひとおうのりょうじ)によって挙兵し、倶利伽羅峠(くりからとうげ)で平家軍を大破。征夷大将軍にも任じられましたが、「後白河法皇」(ごしらかわほうおう)や源頼朝と対立し、近江国(おうみのくに:現在の滋賀県)粟津(あわづ)で敗死しました。木曽氏はこの木曽義仲の系統を継ぐ一族です。

その後、戦国時代の流れの中で衰退しましたが、江戸時代には木曽氏家臣だった山村氏の庇護を受け、その菩提寺として庇護。その後、3度の大火に遭うと多くの建造物や宝物を焼失。往時の面影はほとんど残っておらず、現在見られる勅使門・観音堂・本堂などの建物は再建されています。興禅寺内には「昇龍の庭」(しょうりゅうのにわ)・「須弥山の庭」(しゅみせんのにわ)・「万松庭」(ばんしょうてい)、そして「看雲庭」の4つの庭園が存在。特に看雲庭は、「日本一広い石庭」と評される、広大な枯山水庭園です。看雲庭が作庭されたのは、1963年(昭和38年)で、モダンな庭園造りで知られる日本庭園史の研究家であり作庭家・重森三玲によって造られました。

雲海と山岳の表現方法が特徴的で、造園文化の発展に寄与した意義深い事例として、2019年(平成31年)に、国の登録記念物に登録されています。アクセスは、電車利用の場合はJR中央本線「木曽福島駅」より徒歩約20分。バス利用の場合は「木曽福島駅」より路線バス「興禅寺」下車すぐです。

興禅寺庭園 看雲庭の特徴・様式

看雲庭の広さは約200坪あり、「竜安寺石庭」(京都府京都市)の約3倍の広さを持つ石庭。「日本一広い石庭」と謳われるに値するほど規模の大きな枯山水庭園ですが、草木や苔は一切ありません。看雲庭は、白砂に15個の石を配置することで雲海と山岳を表現。長方形の土地に、白砂で波紋を描き、白いセメントで雲紋を表現しました。重森三玲自らが鏝(こて)を持ってその波紋を描いたと言われています。また、石で高山の峰を表現し、庭園を白い塀で囲んで木曽の山々を借景としました。

看雲庭は七五三石組(15個の石を7つ・5つ・3つに分けて配置した石組)で造られているのも特徴。石組の線が有機的に動き、また中心にポイントを持ってきているため、個々に石の動きが発揮されている点にも、作庭の巧妙さが表れています。石庭前の空間の中でも白黒市松模様の露台は、モダンな雰囲気を醸し出しているのが特徴。また、白砂は京都比叡山の白川砂、石は瀬戸内海沖島産の石を使用した日本の伝統的な枯山水庭園様式と、現代風な雰囲気を持った庭園です。

興禅寺庭園 看雲庭の見どころ

4つの庭園を見比べて楽しむ

昇龍の庭

看雲庭は石だけで造られた石庭で、禅の精神性を表す枯山水庭園ならではの趣を感じられます。広大な敷地に、雲海の美しさをテーマに造られた庭園の見事な景観は必見。看雲庭自体の美しさはもちろん、興禅寺内にある看雲庭以外の庭園と比較してみるのも楽しみ方のひとつです。他の3つの庭園は、同じく枯山水様式であったり、池泉庭園であったりと様式も様々で、同じ寺院にありながらまったく違う雰囲気を醸し出しています。
すべての庭園を巡って、それぞれの庭園から感じる印象を比べてみてはいかがでしょうか。

昇龍の庭

昇龍の庭は、中国黄河に伝わる龍の伝説を力強く表現しており、岡山県岡山市出身の作庭家「小口基實」(おぐちもとみ)によって作庭された枯山水庭園。滝上部に親子3体の龍が昇天する様子を、下部にはこれから龍になろうとする無数の鯉に見立てた鯉魚石(りぎょせき)を丸石で表現しています。看雲庭と同じく枯山水庭園様式ながら、看雲庭とはまったく違った印象や趣を感じられる庭園です。

須弥山の庭

須弥山の庭は仏教の宇宙観を表した庭園で、「九山八海の庭」(くせんはっかいのにわ)とも呼ばれ、須弥山を囲む9つの山と八海山の世界観を表現。須弥山とは、仏教の宇宙観で、世界の中心にそびえ立つと考えられている巨大な山のことです。須弥山を中心とした小宇宙である九山八海を、枯山水で表したのが須弥山の庭。
一石でいくつもの山々を表現した石を九山八海石と言い、須弥山の庭では石組で9つの山(九山)を、その周りに砂を敷くことで8つの海(八海)を表しています。

万松庭

万松庭

万松庭は庫裏(くり)奥の書院前にあります。これは江戸時代中期に作られたとされる池泉観賞式庭園。万松庭は、江戸時代の茶人である作庭家「金森宗和」(かなもりそうわ)によって作庭されました。池を中心に多種類の木が植栽されており、穏やかな雰囲気の庭となっており、紅葉シーズンには、色づいた木々の美しさから目が離せません。腰掛待合や茶室「嶽臨」も設けられています。

四季折々の自然

興禅寺境内には四季折々の花木が植栽されており、万松庭の木々や、各庭園には様々な花が咲き、季節ごとに違う表情を見せてくれるのも見どころ。特におすすめしたいのがしだれ桜で、興禅寺のしだれ桜は、木曽義仲お手植えの2代目とも伝えられています。空から降ってきているかのように見える桜は圧巻。また、夜間にはライトアップも実施しており、昼間とはひと味違う幻想的な雰囲気を楽しむことができます。夏の青々とした緑、秋の燃えるように色づいた木々や落ち葉の絨毯、冬の雪化粧をした厳かな雰囲気など、季節ごとに変わる雰囲気を味わうのもおすすめです。

興禅寺庭園 看雲庭の施設情報

興禅寺庭園 看雲庭の施設情報についてまとめました。

フリックによる横スライド仕様となります。

フリックによる横スライド仕様となります。

施設名 興禅寺庭園 看雲庭(こうぜんじていえん かんうんてい)
所在地 〒397-0001 長野県木曽郡木曽町福島5659番
アクセス JR中央線「木曽福島駅」から車10分
開園時間 8時30分〜16時30分
休園日 年中無休(宝物殿は11月下旬~翌年3月下旬休業)
料 金 大人500円、小人300円※3館共通券(興禅寺・山村代官屋敷・関所資料館)900円

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