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珍名・奇祭クイズ

第28問 石川県の奥能登一円に伝わる祭り「あえのこと」では田の神様に何をお供えする?

正解 B:大根

<解説>

毎年12月と2月に石川県の奥能登一円で行なわれている「あえのこと」は、五穀豊穣を司る、田の神様を自宅に招いて、今年1年の収穫に感謝するお祭りです。

「あえのこと」とは、「アエ」は饗(あえ)で、もてなしを意味し、「コト」は祭りを意味することから由来。各家によって儀式の形式が様々ですが、家の奥座敷に種もみの俵を据えて神座を設け、その前方には2股の大根2本と、家の主人が作った栗の木の箸2膳分を左右にお供えします。

これは田の神様が夫婦で2神だとされているためで、何事によらずに2膳ご用意。主人は紋付袴の正装をまとい、目が不自由とされている田の神様を家の苗代田までお迎えに上がります。

お風呂へ案内して入浴して頂いたあと、お座敷でお休みを願い、真心をこめて作ったご馳走を盛ったお膳をお供え。このとき、主人は膳の内容を一つひとつ丁寧に説明し、1時間程経過したあとで家族がお下がりを頂きます。

田の神様はその家でゆっくりと年越しされると信じられており、2月9日に「田の神送り」と言われる祭りを同様に行なってお見送り。目に見えない田の神様が、あたかもそこに居るかのように演じる姿は、神妙ながらもどこか微笑ましく、稲作に従事してきた日本人の原点を見ることができます。

1976(昭和51)年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。

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