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珍名・奇祭クイズ

第24問 長崎県五島市の下崎山地区に伝わるへトマト行事は、大きな何の上に女性を乗せて胴上げをする?

正解 B.草履(ぞうり)

<解説>

長崎県五島市の下崎山(しもざきやま)地区に受け継がれるへトマト行事は、豊作・大漁・子孫繁栄を祈願する小正月の行事で、毎年1月第3日曜日に行なわれます。

へトマトは古来より伝わる民俗行事ですが、起源については全く不明。へトマトの語源も分かっていません。祭り当日は大通寺で御幣のお祓いを受けることから始まり、白浜神社境内で子供や青年が「宮相撲」を奉納。

その後、御幣を奉侍する役を代々務める山内氏の当主を先頭に、町の総代役員らが鉦(かね)を打ち鳴らしながら町内を巡って、15時頃に白浜の海岸へと向かいます。御幣が白浜に到着すると、海岸近くの路上で晴れ着をまとった新婦2人が、酒樽に乗って「羽根つき」をします。これにはその年の農業や漁業の豊凶を占う意味があり、長く続けば続く程豊作豊漁になる上、羽をついた女性も幸せになるという言い伝えがあるそうです。

次に中学生も含む若者達が、身体に「ヘグラ」と呼ばれるススを塗り付けて、縄で巻いて取り手の付いた「わら玉」を激しく奪い合う「玉蹴り(せせり)」。続いて青年団と消防団に分かれて豊作と大漁を占う「綱引き」、最後に長さ3.5メートル、重さ350キログラムにも及ぶ「大草履」が登場。これを山の神様・牛の神様を祀っている山城神社へ奉納します。

その道中で見物に来ている未婚の女性を次々と捕らえては、大草履の上に乗せて何度も胴上げを行ないます。乗った女性は幸せになり、子宝にも恵まれるとか。一度に色々な行事を行なう祭りとしては、全国的にも類を見ず、国の重要無形民俗文化財にも指定されました。

下崎山町のへトマト行事 下崎山町のへトマト行事