B.兎(うさぎ) 兎は生息域が広くてひと目に触れやすく、その愛くるしい見た目のため、古くから人間に親しみやすい存在として受入れられていました。「今昔物語集」の「三の獣、菩薩の道を行じ、兎身を焼く」という説話によると、自ら身を焼き、困っている人の食料になった滅私献身の兎の生き様を、すべての生き物たちに知らせるために月の中に姿を映したことから、月と兎の関係ができたようです。一方、日本神話の「因幡の白兎」の一節では、ずる賢さゆえに痛い目にあう姿が描かれるなど、また違った印象で伝えられています。