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珍名・奇祭クイズ

第21問 山形県上山市に伝わる「加勢鳥(かせどり)」に扮する若者は何を被る?

正解 B.蓑(みの)

<解説>

山形県上山市に伝わる加勢鳥は、1660年頃から始まった五穀豊穣・家運隆盛の行事です。上山地方では寛永年間(1624~1645年)から加勢鳥に扮した若者が街中を練り歩く奇習が行なわれていたそうです。

わらや菰(こも)のように編んだものを腰にまとい、手ぬぐいで顔を包み、その上から先の尖ったケンダイと言う蓑のようなものを被り、股引(ももひき)に草鞋(ぞうり)ばき、青竹の先にざるを付けた「銭さしかご」を持って出るもので、特に高野村(現上山市高野)の若衆カセ鳥2人と付き人1人の3人は、旧正月の13日に上山城内に招かれ、御殿に許されたと言うことです。

これは「御前加勢」と指定され、御前では新しい手桶と柄杓を用意し、この加勢鳥に水をかけ、酒と銭一貫文を麻紐に通した「青指し」を与えて労をねぎらったとされています。

一方、「町方加勢」は旧正月15日に各村から集まり、「加勢鳥、加勢鳥お祝いだクックックッ」または「カーッカーッ」と言って町に現れ、各戸に小正月祝いの訪問をして歩きました。すると町の若い衆は裸で手桶の水を加勢鳥にかけ、祝儀を渡して盛っ切り酒(もっきりざけ)を振る舞い、新しい手ぬぐいを加勢鳥の頭に結びつけて商売繁盛を祈ったそうです。

一方女児は、ケンダイのわらを抜いて髪に結わえ、髪が黒く多く生えるようにと祈りました。上山地区ではこの加勢鳥を「稼ぎ鳥」や「火勢鳥」という当て字になぞらえて、加勢鳥の頭から水を浴びせて火伏の行事とする他、水商売を商う家では水にあやかって商売繁盛を願いました。

しかしこの行事も1896年(明治29年)で一時中断。貴重な民俗行事を復活させようと有志が集まり、1959年(昭和34年)から再現して1986年(昭和61年)に保存会を結成。以降、毎年2月11日にお披露目されるようになりました。

加勢鳥(かせどり) 加勢鳥(かせどり)