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珍名・奇祭クイズ

第20問 鳥取県伯耆(ほうき)町に伝わる「蛸舞式神事(たこまいしきしんじ)」は熊野三所権現と呼ばれる神様のうち、どの神様にまつわる神事?

正解 A.速玉大神(はやたまのおおかみ)

<解説>

鳥取県伯耆町が全国に誇る伝統行事「蛸舞式神事」。その昔、速玉大神こと速玉男命(はやたまおのみこと)が和歌山県の熊野灘で遭難した際、大蛸に助けられて無事に吉備の国へと上陸し、この地を訪れたという故事にちなむ神事だと言われています。

毎年10月中旬、13時をまわる頃に福岡神社本殿で秋季例祭の儀式が行なわれ、礼服姿の氏子達が藁草履(わらぞうり)を履き、神饌(しんせん)や御幣を携えて舞堂(まいどう)へ移動。祝詞奏上(のりとそうじょう)のあと、舞堂の中で神聖な「大注連神事」が始まり、いよいよ15時頃から蛸舞式神事スタート。

ふんどし一丁の氏子達が板の間で車座になると、藁製の蛸を持った男が中央に進みます。神聖な神楽囃子が流れる中、藁製の蛸を掲げ持った男は立ったままの状態で約12人の男達に抱えられ、胴上げのように上下。蛸の足8本にちなんで8回天井に突き上げられ、その度に揺れる蛸藁は海中で舞う蛸を思わせます。

その後クライマックスの「丸梁(まるはり)」へ。蛸役の願主の男が丸梁にまたがり、足役の8人が丸梁の回りを回転させます。神楽と笛と太鼓が厳かに鳴り響く中、全員が「そーれ、そーれ」と掛け声をかけながら、一度に8回転させる行程を何度も繰り返し、堂内は異常な熱気に包まれます。小さな古社に語り継がれるこのミステリアスな奇祭は、昭和61年に鳥取県の無形民俗文化祭に指定されました。

蛸舞式神事(たこまいしきしんじ) 蛸舞式神事(たこまいしきしんじ)