観光スポット・旅行・レジャー

珍名・奇祭クイズ

第17問 京都府南丹市日吉町に伝わる「田原のカッコスリ」の「カッコ」とは何のこと?

正解 A.太鼓(たいこ)

<解説>

田原のカッコスリは南丹市日吉町田原地区にある、多治神社(たじじんじゃ)の秋の祭礼時に、稚児を中心として鼓や太鼓、笛の演奏者と踊り手が、歌に合わせて踊る民俗芸能。そのルーツは田楽などを起源とする中世に流行した「風流踊(ふりゅうおどり)」と言われています。

現在カッコスリは芸能全体の名前であるとともに、稚児のまわりで鼓を持って踊る人をさしますが、江戸時代の記録では稚児もカッコスリと呼んでいたことが分かります。その名は稚児が付けた雅楽器の一種「鞨鼓(かっこ)」にちなみますが、近年稚児が鞨鼓を付けなくなっていた時期があり、神社に保存されていた鞨鼓を改めて付けるようになったのは昭和58年から。祭りの開催時期も時代によって変化していて、現在は10月15日以前の直近の日曜日に落ち着いています。祭り当日、午前中に神社に集まり、衣装を身に着けて社務所の座敷で踊ります。

その後、社殿での神事を終えて拝殿の前の広場に集まり、神輿の行列とともに移動して、地区内の若宮社境内で踊り、さらに進んで御旅所(おたびしょ)に移って踊り終了。胸に鞨鼓を付けた4名の稚児、そのまわりに鼓を左手に持って打ちながら踊る4名、別に締太鼓を持つ人が6名と打つ人が6名、御幣(ごへい)を付けた榊(さかき)の枝を持つ「サンヤレ」と呼ばれる人が4名、数名の笛奏者、その他大勢の踊り手がつき大所帯。稚児以外の演じ手は裃(かみしも)姿なので、まるでタイムスリップしたような雰囲気に包まれます。

踊りは中央に稚児が向き合って立ち、そのまわりを鼓打ちが左回りに打ちながら踊り、その輪の外側の四隅にそれぞれ榊を持ったサンヤレが立ち、6人の太鼓持ちと太鼓打ちは互いに向き合って横一列に並びます。太鼓の反対側に扇を持った踊り手と笛が並びますが、踊り手はまるで静止しているかのように、わずかに足を動かしながら歌うだけ。素朴な歌と囃子、そしてゆったりとした動きが、中世の風流囃子を今に伝えています。

田原のカッコスリ 田原のカッコスリ