
<解説>
約800年前、豊前豊後(現大分県)の守護職であった大友氏と、薩摩(現鹿児島県)の豪族・島津家の間で戦が起こり、戦場と化した千歳町の人々は家や田畑を焼かれて路頭に迷いました。これを嘆いた宇佐八幡のご神霊が、分霊にこの地を治めさせようとし、千歳町の豪族・益永豊武の夢枕に立ってそのことを宣告。これを聞いた益永豊武はひょうたんに清酒を詰め、流鏑馬や獅子舞などを奉納し、分霊を現在の柴山神社に祀ったのが祭りの始まりとされています。
ひょうたんを持って酒を振る舞う「ひょうたん様」に扮するのは、当番の組で一番元気のいいご長老。頭に約80センチのひょうたんをかぶり、背には約1メートルの太刀を背負い、真っ赤な直垂(ひたたれ)と袴(はかま)を身につけ、腰にはお神酒2升入りの大ひょうたんを提げ、手には大きな榊の枝を持ちます。そして幅約50センチ、長さ約1メートル30センチ、両足で30キログラムもある「大わらじ」を履いて練り歩くため、足がなかなか前に出ない上、頭上の大きなひょうたんでバランスを崩し、ふらふらして一向に進みません。
介添え役が「よいしょ、よいしょ」と掛け声をかけ、2時間かけて1キロ歩くのがやっとです。このユーモラスな光景に沿道からは笑いの声が絶えず、のどかな空気に包まれます。
祭りのクライマックスに流鏑馬神事が行なわれ、直会(なおらい)の宴が開かれて祭りは終了。ひょうたん様が振る舞うお神酒は無病息災のご利益があると言われていますので、マイお猪口を用意してご利益のお裾分けをもらってみてはいかがでしょう?

