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珍名・奇祭クイズ

第11問 岡山県笠岡市金浦に伝わる伝統行事「ひったか」は歴史上の大きな出来事に由来する行事ですが、それは何?

正解 B.源平合戦

<解説>

「ひったか」と「おしぐらんご」はもともと旧暦の5月5日に行なわれる行事でしたが、現在はそれに近い土曜日の夜にひったか、日曜日の昼におしぐらんこを挙行しています。沿革については不明な点が多いですが、どちらも平安時代末期の源氏と平氏による長期戦「源平合戦」に由来するという説が有力。

「ひったか」は提灯で絵模様を描く火祭で、吉田川を挟んで東にある行者山を源氏方として白い幟、西にある妙見山を平家方として赤い幟を掲げ、その中腹にそれぞれ約10メートル四方の木枠を組み、300~400個の提灯を吊るして絵模様を浮かび上がらせて競い合います。図柄は当日まで秘密にされ、その年に話題になった題材になることが多いとか。

この日は夜店が出るなどして金浦の街が大いに賑わいます。言い伝えによれば平家方が付近の山で大規模なかがり火を焚いて大軍を装い、せまる源氏方を退散させた故事に因むとされ、「火を高く焚く」が「ひったか」に転じたとされています。

翌日に行なわれる「おしぐらんご」は2艘の和船で競争する行事。櫓を漕ぐことを「押す」と言い、「ぐらんご」はこの地方で徒競走のことを「かけりぐらんご」と言うことから、「船漕ぎ競争」という意味を持ちます。当日は金浦地区を東西に分け、それぞれの組の和船に6人ずつ乗り込み、源氏方(白)・平家方(赤)に分かれて金浦湾の沖合約300メートルのところから陸を目指して早さを競い合います。

漁業者の減少から一時中止となりましたが、廃絶を惜しむ地元の努力によって1987(昭和62)年に復活し、今も盛大に行なわれています。

ひったか・おしぐらんご ひったか・おしぐらんご