
<解説>
毎年5月5日の子どもの日に行なわれる住吉神社の例祭で、約1,000年の歴史を持つと言われています。
この祭りの由来は、味見河内町の上比丘尼にある「神の森」から、現在の小谷の山に創建された社殿に、神様をお移しした遷座の儀式を今に伝える物だと言われています。
「じじぐれ祭り」はまず「柴神輿」を作ることから始まります。早朝から山に入って青々としたブナを切り出す者、井桁に組んだ丸太を太い「ぐんど藤」で締めた上にシデやブナの枝で覆った台座を作る者、神様が降臨する三体の「より代」となる花束をショウブ・コブシ・ヤマブキで作る者に分かれて、チームプレーで行ないます。このぐんど藤による結束の技術が大変貴重なことから、県の無形民俗文化財にも指定されました。
小さな森を思わせる柴神輿を御神歌に合わせて揺すりながら村中を舞い狂い、氏子の家を巡って神殿に帰ってきてからがクライマックス。神のより代である花束の争奪戦が行なわれるのです。その年の縁起を占う意味もあり、華やかかつ激しいその奪い合いは祭りの見どころでもあります。
ちなみに「じじぐれ祭り」とは「じじふり祭り」が訛ったもので、じじふりとは「野山の気配に心が奮い立つ」と言う意。この土地の人々が春の訪れを喜び、自然への感謝の思いを表すお祭りです。

