近江商人屋敷!
まずアクセスは近江鉄道の五箇荘駅より徒歩で約10分です。JRの場合は琵琶湖線の能登川駅より路線バス「金堂竜田口」バス停で下車し徒歩約15分の位置にあります。
「藤井彦四郎邸」(ふじいひこしろうてい)は国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている『五個荘金堂』の町並みの外れにある屋敷です。主屋をはじめとする建造物が滋賀県指定文化財、国登録有形文化財に選定されている、五個荘金堂を代表する近江商人屋敷で、広大な池泉回遊式庭園となっています。
江戸時代以降に興隆した「近江商人発祥の地」として大きな商人屋敷が立ち並ぶ一方で、国指定重要文化財の本堂を持つ「弘誓寺」や古代に聖徳太子の創建したと伝わる「浄栄寺」が集落の中心に位置し、寺社や水路、周辺の水田を含めた景観が歴史を感じさせます。
藤井彦四郎は近江商人・三代目藤井善助の次男として生まれ、明治時代にこの五個荘で「藤井糸店」を創業しました。フランスをはじめ海外の繊維市場の動向をいち早くキャッチし、「鳳凰印の小町糸」「スキー毛糸」ブランドで日本の化学繊維市場を築いた実業家の一人として有名です。なお藤井の興した会社の一つ「共同毛糸紡績」を吸収合併したのが現在の倉敷紡績です。
この「藤井彦四郎邸」は昭和のはじめに迎賓館として造営されたもので、8000平方メートルを超える敷地面積の中には、京都の宮大工を呼び寄せて総檜造りで造営された客殿や主屋、そして洋館や蔵などが立ち並んでいます。客殿・洋館は滋賀県指定文化財で、主屋・土蔵・塀・石橋などが国登録有形文化財となっており、最も古いものでは北土蔵が明治時代に建造されたものです。
そして屋敷の奥には琵琶湖を模した池泉を中心とした広大な回遊式庭園が広がります。五個荘の他の商人屋敷でも庭園を見られますが、藤井邸が最も規模が大きく壮大な庭園です。
屋敷側から伊庭山を借景とした眺めも、築山の上からの屋敷と池泉の眺めも美しいです。