目指せ!世界遺産登録!旧閑谷学校!
閑谷(しずたに)学校は、岡山県備前市閑谷にある江戸時代前期の1671年に創建された「庶民のため」の学校です。それまでも武士のための学校はありましたが、「庶民のため」の学校は当時珍しいものでした。現存する「庶民のため」の公立学校としては日本最古なのはもちろん、世界最古のものともされています。ただ、ほとんどの学生は学房に入ることになり、現在の寮生活のような生活をしていたそうなので、庶民といっても実際は地主、名主、寺社、医者の跡取りといった名士の子弟が学んでいたようです。いわゆる地域のリーダーを育てる場でした。学ぶ内容としては、当時の時代背景もあり、儒教の教えである四書五経が中心であったようです。余談ですが、少し前にNHKの大河ドラマで渋沢栄一さんを主人公にしたものがありましたが、渋沢栄一さんも四書の中でもとりわけ論語についての造詣が深く、「論語」についての著書もあります。
入母屋造りの講堂は国宝であり、孔子像が安置された聖廟は国の重要文化財とされています。また2015年には茨城県の弘道館、栃木県の足利学校跡、大分県の咸宜園跡とともに「近世日本の教育遺産群〜学ぶ心・礼節の本源〜」として日本遺産第一号にも認定されています。
現在呼称として「旧閑谷学校」とする場合は、この特別史跡である閑谷学校を指します。ただの「閑谷学校」とする場合は、岡山県青少年教育センターである閑谷学校を指します。少し紛らわしいですが、そういった区別があります。
建築に関することでは、講堂の屋根に使われている瓦や屋根の水抜きの筒が備前焼でつくられたものであること、周囲の石垣の上部が丸くなくように施工されていることなども興味深いところではないでしょうか。
最後になりますが、芝生の広々とした庭園もありますので、春は桜、秋には紅葉といった季節ごとの趣を楽しむこともできますので、機会があれば是非一度訪れてみてください。世界遺産登録となることを願っております。