熊野磨崖仏
若い頃にツーリングで行った熊野磨崖仏を20年ぶりに家族で見に行って来ました。私自身の中で、初めて熊野磨崖仏を見た時の感動を子供たちにも感じてもらおうと思って行って来ました。山道を登って行った記憶はありましたが、これほどのきつい山道を登っていたとは思いませんでした。鬼の築いた言われる自然石の乱積石段が99段あるというお話が有名です。階段の下から見上げると、少し気が滅入る感じの階段ですが、人工的な歩き易い階段と違って、史跡にふさわしい趣のある階段だと改めて感じました。自然石の本当に99段なのか、今回も数えながら登り始めたのですが、子供たちと会話しながらや息切れと苦戦してしまいました。残念ながら、途中で分からなくなってしまい、次回のお楽しみになりました。子供たちも飛び跳ねながら元気よく登ってくれたので連れてきた甲斐がありました。最初に階段を上り切った下の子が、一瞬姿が見えなくなったのですが、すぐに戻ってきて大きな笑顔で早くと手招きしていたのは印象的でした。おそらく石仏を見て、昔の自分が感じたような驚きを味わったのだと思います。岩山に優しいお顔で鎮座しておられる石仏は、綺麗に彫られた石仏とは違って、自然に現れたかのように周りの静けさに溶け込んでいる感じがします。熊野磨崖仏は、不動明王像と大日如来像の2体が彫られていますが、私も子供たちも正面に拝むことが出来る不動明王像が心に残ったようです。階段を登った疲れと、石仏を見た感動で、しばらくみんな無言でベンチに座って春の陽気の中、穏やかな時間を過ごすことが出来ました。実は80歳を超えるおばあちゃんも一緒でした。この階段を登って石仏を見ることは、無理だと思っていましたが、案内所で貸してくれる杖を頼りにゆっくり時間を掛けて登ることが出来てとても嬉しかったです。でも石段を下りる時はお年寄りには辛かったようで少し時間が掛かりましたが、案内所に戻って一息ついた時の家族の顔を見た時、来て良かったと思いました。