静かにたたずみ私たちを見守ってくれている場所
奈良県奈良市にある宇和奈辺古墳を訪れました。訪れた日は年に一度の若草山焼きの日で多くの人出を予想していましたが、国道のすぐ横にあるにもかかわらず、この古墳はほとんど人もいなくてひっそりと佇んでいるようでした。まるでここだけ別の空間になっているような、現代とは少し違う時間が流れているような不思議な雰囲気をかもしだしていました。古墳の周囲を池が囲んでおり、レンタル自転車でぐるりをゆっくりと一周しましたが、やはり地上からは教科書の写真で見たような鍵穴型という事は分かりませんでした。ドローンなどを持っていれば、カメラをつけて是非上から撮影してみたいと思いました。(ドローンを使っても良いか事前に確認が必要です。)雑木が生い茂り、人の立ち入ってはいけない聖域のような古墳を前に、どのくらい前の時代にどれほど沢山の人がこの古墳を造る作業に携わったのか、この古墳はずっとここで静かに歴史を見守ってきたのだろうと思いを馳せながら、まほろばの地でのひと時を楽しむことが出来ました。ところどころ立ち止まって目を凝らしてみると、池で鴨や亀などの動物たちが悠然と泳いでいて、日常のせわしなさを忘れられる優雅な時間を過ごすことができました。当日は曇りで少し肌寒いくらいだったのですが、天気などの関係で偶然だったと思うのですが、池の色が心なしかヒスイ色のように見えて、とても神秘的な気分になりました。写真にうまく写らなかったのが残念です。古墳に生える雑木たちは四季折々の顔を見せてくれると思うので、今度は紅葉の季節や雪がしんしんと降り積もる時期、若葉が生い茂る時期にも訪れたい場所となりました。ゆっくりとこの場所で時間を過ごす事ができてとても良かったと思いました。何か、自分の内面と向き合うような、貴重な体験をさせていただけたと感じます。それほど静かで厳かな空間でした。次回来る時までには是非この古墳にまつわる歴史を勉強してから訪れたいと思います。