優れた技術
奈良県明日香村にある古墳時代後期の古墳です。国営飛鳥歴史公園内石舞台周辺地区の中央に位置する我が国最大級の方墳です。墳丘の盛り土が全く残っておらず、巨大な両袖式の横穴式石室が露呈している独特の形状です。天井石の上面が広く平なので、まるで舞台のように見える形状から古くから「石舞台」と呼ばれています。被葬者は蘇我馬子であったとする説が有力視されています。元は土を盛り上げて作った墳丘で覆われていたが、その土が失われ、巨大な石を用いた横穴式石室が露出しています。墳丘は現在はうしなわれているが、下部は方型で20~50センチメートル大の花崗岩の貼石を約30度の傾斜で積み並べられていました。墳丘の周りに幅5.9~8.4メートルの空堀がめぐり、幅約7メートルの外堤を復元すれぱ一辺約80メートルで高さは約1.2メートルでした。作られた当時は重機も当然なく、人の手だけで作られており、優れた土木技術や運搬技術の高さがうかがわれます。