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国立西洋美術館(東京都)

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国立西洋美術館は、2016年(平成28年)7月に世界文化遺産に登録が決定した、日本における西洋美術を対象とする唯一の国立美術館です。

第二次世界大戦の敗戦によって連合国軍に没収され、フランス政府の所有となった「松方コレクション」を展示する美術館として1959年(昭和34年)に設立されました。コレクションは、モネやロダンなど日本でも人気のある近代西洋美術を中心に構成されています。また、美術館の建物は「近代建築の巨匠」と呼ばれたフランス人建築家、ル・コルビュジエが設計した日本で唯一の建物です。

美術館について

所蔵コレクション

美術館について

世界遺産

世界遺産登録の理由は「人類の創造的才能を現す傑作であり、20世紀における世界中の建築に大きな影響を与えた」ことによります。日本で20件目の世界遺産となっています。

世界遺産としての国立西洋美術館

戦争の特需による資金で購入され、戦争により没収されてその後日本へ還った「松方コレクション」のための国立西洋美術館は、戦争と切っても切れない関係にあります。

国際情勢が緊迫するなか、特にテロが相次いで起こった年に世界遺産登録をされたことは、建物とコレクションだけでなく、その歴史的背景や平和についても注目し、後世に伝えていく意味があるのかもしれません。

国立西洋美術館
国立西洋美術館

国立西洋美術館 公式サイト
http://www.nmwa.go.jp/jp/

沿革

国立西洋美術館

1959年(昭和34年)に、東京・上野に完成した20世紀を代表する「近代建築の巨匠」ル・コルビュジエの最晩年に属する作品です。地上3階、地下1階の鉄筋コンクリート造りで、「ピロティ」と呼ばれる柱で支えられた開放的な空間やらせん状の回廊、自然光を利用した建築様式など、随所にコルビュジエの特徴的な設計が施されています。

国立西洋美術館がコルビュジエの作品の中でも特徴的なのは、「無限発展美術館」であるという点です。玄関口にあたる19世紀ホールを取り巻くようにぐるぐると展示室がつづき、コレクションが増えればさらに外側に展示室を増築することができます。この「無限発展美術館」は、コルビュジエが長年温めつつも世界に3つしか実現できなかった建物です。

設計者コルビュジエについて

「近代建築の巨匠」

ル・コルビュジエ
ル・コルビュジエ

国立西洋美術館の基本設計をしたル・コルビュジエは、1887年(明治20年)スイスに生まれ、のちにフランス国籍を取得した建築家で、帝国ホテルを設計したライトと並び20世紀を代表する「近代建築の巨匠」と呼ばれています。

鉄やコンクリート、ガラスなどを用いた直線的で機能的な作品を多く残し、1965年(昭和40年)に死去しました。

コルビュジエと日本

コルビュジエは、国立西洋美術館の設計に際し1955年(昭和30年)に来日。日本の近代建築は西洋建築の模倣から始まり、コルビュジエは帝国ホテルを設計したもう一人の「近代建築の巨匠」フランク・ロイド・ライトと同じく、日本の近代建築に大きな影響を与えました。国立西洋美術館は、日本で唯一のコルビュジエの作品であり、その影響は海を越えアジアにも及んだとされています。

コルビュジエには、前川国男、吉坂隆正、板倉準三らの日本人の弟子がおり、国内の代表的な近代建築や都市計画に携わりました。国立西洋美術館は、コルビュジエの基本設計をもとに前川らが中心となり建造されています。

コルビュジエと作品

国立西洋美術館
国立西洋美術館

コルビュジエの建築の特徴は、日光を多く取り込めるよう工夫された窓や、一階部分の壁を取り去ったピロティ、屋上庭園など直線的でありながらも明るく開放的かつ機能的な設計です。

コルビュジエは、建築や都市計画のみならず絵画や家具などにも多くの作品を残しています。特に、金属のフレームにモノトーンのレザーを組み合わせた、LCシリーズのシンプルでモダンな椅子は人気があります。コルビュジエの家具は、一般の家庭から企業、公共の場まで幅広く使用されており、LC1(一人がけの椅子)は名古屋市美術館に備品として置かれています。

所蔵コレクション

展示物の特徴

国立西洋美術館は、「松方コレクション」のうち西洋美術作品を専門とする美術館です。およそ5,500点の作品を展示しており、中心となるコレクションは中世末期から20世紀初頭にかけての西洋絵画と、ロダンを中心とするフランス近代彫刻となっています。

中でも19~20世紀(第二次世界大戦前)の重要な画家の作品が充実していることが特徴です。ドラクロワ、マネ、ルノワール、モネ、ロダン、ゴッホ、ゴーギャン、セザール、エルンストら近代の西洋美術において、代表的で現在でも人気の高い芸術家の作品群となっています。

ロダンの代表作/カレーの市民
ロダンの代表作/カレーの市民

「松方コレクション」について

国立西洋美術館は、1959年(昭和34年)にフランス政府から日本へ寄贈返還された「松方コレクション」を保存、公開するために設立されました。

松方幸次郎

考える人
考える人

「松方コレクション」は、実業家・政治家である松方幸次郎によって築かれたコレクションです。松方幸次郎は、明治時代に総理大臣、大蔵大臣を務め日本銀行を設立した明治の政治家、松方正義の三男。名門エール大学卒業後、川崎造船所の社長となり、1916年(大正5年)にイギリスへ渡航、その後も数回渡欧し、1万点以上とも言われる美術品を収集しました。

当時、川崎造船所は第一次世界大戦の特需で業績は好調でした。松方は「私が自由に使える金が3,000万円(現在の通貨価値で約300億円)できた」と欧州での買付に同行した矢代幸雄に語ったと言われています。

「松方コレクション」は、明治の元勲の嫡男という出自と資金、国内外の人脈といった松方の恵まれた環境があったからこそ実現した、美術の歴史における重要作品を多く含む、他に類を見ない一級品の個人コレクションなのです。

コレクションと時代背景

コレクションには、のちにオルセー美術館に収蔵されるゴーギャンやルーヴル美術館に所蔵されるセザンヌなどフランスの文化財も含まれており、19世紀から20世紀にかけての時代を代表する作家が名を連ねています。

特に第一次世界大戦(1914~1918年)が終結してから、1929年(昭和4年)の世界恐慌前までの「狂乱の20年代(1920年代)」と呼ばれた時代には、流行画家も招かれた毎晩華やかなパーティーがパリで開かれ、多くの芸術家が輩出されました。

絵描きパンダ

日本では、セザンヌら印象派に影響を受けたフランス帰りの洋画家 黒田清輝らの活躍により、華やかなヨーロッパの絵画理論が画壇の中心となりました。そのような時代において松方は、自身のコレクションを通じて日本に本物の西洋芸術を見せようと「共楽美術館」を建設し、公開する予定でした。 しかし、1927年(昭和2年)に世界恐慌の影響により川崎造船所の経営が破綻。その負債整理のために日本国内で保管されていたコレクションは提供され散逸してしまいました。

コレクションのその後

コレクションの一部は、ヨーロッパに残されていました。しかし、ロンドンに保管されていたコレクションは火災により消失し、フランスのロダン美術館に預けていたコレクションは、第二次世界大戦の敗戦により没収されフランス政府の国有財産となってしまったのです。

しかし、個人のコレクションであった「松方コレクション」は、フランス政府と交渉の結果、大部分が日本に寄贈返還されることとなりました。その際の条件に、美術館を建設して展示するという条件があり、国立西洋美術館が設計されたのです。