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醤油醸造発祥の地 湯浅(和歌山県湯浅町)

湯浅町は和歌山県西部、紀伊水道に面した入り江の奥にある町で、醤油醸造の発祥の地と伝えられており、現在でも醸造が行なわれています。中世以降この地域において、その醤油をはじめとする産業の中心地として発展してきました。

風が運ぶ醸造の香り

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有田地方の政治経済の中心地 湯浅

平成18年12月19日選定

湯浅 湯浅では、中世より醤油以外にも金山寺味噌の醸造が盛んであった他、豊富な漁場である紀伊水道からの海の幸が多く獲れる漁業の町でもありました。さらに和歌山方面と熊野地方を結ぶ参詣道の伝馬所(情報・物資の伝達拠点)の地としても繁栄するなど、有田地方の政治経済の中心地でした。
特に江戸時代には紀州藩の保護を受け藩外販売網が拡張されたことにより、湯浅の醤油の名が拡散。しかし明治以降、現在の保存地区の周りが劇的に近代化を遂げたため、この地区のみが前時代の名残を色濃く残す結果となりました。そのため現在でも江戸時代の醤油や味噌醸造業関連の町屋や蔵などが多く残されており、時間が止まったかのような風情に包まれています。
近年、伝統的な町並をこの地方の貴重な財産として見直す運動が起こり、町民と行政が一体となって町並保存への取り組みを始め、2006年(平成18年)12月19日に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。

金山寺味噌の老舗 太田久助吟製

太田久助吟製 醤油と並ぶ湯浅の伝統的産業生産物が、金山寺味噌です。その味わいから、ご飯のおかずとしても酒の肴としても人気が高いこの味噌は、大豆、小麦、麹にウリやナスなどの野菜を加えて手作業で仕込まれます。古くは鎌倉時代、宋に渡り禅宗の修行を重ねてきた高僧・覚心上人がこの味噌の醸造方法を日本に伝えたとされています。水の質が良く気候にも恵まれた湯浅は味噌醸造に最適な土地であったため、金山寺味噌の生産が始められました。
北町通りの中程にある太田久助吟製は、元々は醤油を醸造していた家でしたが、現在はこの金山寺味噌の老舗として知られています。建物は江戸時代後期の建造と言われており、低い二階建ての「厨子二階」造りのどっしりとした構えが特徴です。

幕末から昭和末期までの銭湯跡 甚風呂(じんぶろ)

甚風呂(じんぶろ) 甚風呂は、幕末から明治・大正・昭和の終わり頃にかけて営業していた銭湯の跡で、現在はその個性的な外観と建物内部を保存・復元して歴史民俗資料館として公開され、古民具などの展示があります。
開業は嘉永年間(1848年~1853年)より前だと言われており、正式な名は「戎湯(えびすゆ)」でしたが、須井甚蔵という人物が開いたため「甚風呂」の名が付いたとされています。以降須井家が4代にわたって1985年(昭和60年)まで営業を続けてきました。かつてはこの地は港に近いこともあり、多くの漁師が客としてこの銭湯を利用しており、地域のコミュニティの場としても活気にあふれていたと言われています。銭湯の営業を終えた16年後の2001年(平成13年)には湯浅町が所有して改修が進められ、2009年(平成21年)6月6日に竣工し、公開に至りました。
現在の建物が建てられた明確な年代は分からないものの、明治前期の建造ではないかと推測されています。瓦屋根を回した土塀は、菱形の開口部に装飾が施されたユニークなデザインで、土塀の角には「トンガリ」と呼ばれている六角錘の瓦飾りが見られます。
建物内部には番台、男湯と女湯の浴室、立ったまま入浴する「立ち湯」の浴槽などがそのまま残されている他、昔の映画ポスターや広告看板などや壁掛けの手回し電話機、100年間働き続けている古時計、井戸の手押しポンプなど、大正・昭和前半の時代に使用されていた懐かしい器具類が設置されており、ノスタルジックな味わいを楽しむことができます。

湯浅で最古の醤油醸造蔵 角長(かどちょう)

角長(かどちょう) 江戸時代後期の1841年(天保12年)の創業で、湯浅で最古の醤油醸造蔵が角長です。かつては湯浅町内に90軒以上もの醤油屋が繁栄していましたが、戦後期の混乱を経て減少し、1949年(昭和24年)には23軒に、現在では数軒のみが残るまでになりました。そのうちのひとつである角長では、現在でも「湯浅たまり」という大豆の割合を多くした製造方法での醸造を続けており、これは湯浅町で角長のただ1軒のみです。つまり角長は、創業以来現在まで昔ながらの製法をかたくなに守り続けている唯一の醤油蔵であると言えます。
角長の向かい側には1866年(慶応2年)建造の仕込み蔵が残っており、こちらは現在「角長醤油職人蔵」として公開されており、かつて使用されていた足踏み式小麦挽き割り機や仕込み桶などの醸造用道具が展示されている民具館となっています。