ご希望の観光施設(旅行)情報を無料で検索できます。

施設検索/ホームメイト・リサーチTOP

ホームメイト観光施設(旅行)リサーチ

観光情報

北海道エリアの観光施設を巡る
「美瑛(びえい)」



海外に行かずとも、魂を揺さぶられる絶景が日本にもあります。北海道エリアからは、「ため息が出るほどに美しい農村風景」です。

【美瑛】農村の100年の営みが育んだ絶景(北海道上川郡美瑛町)

【美瑛】農村の100年の営みが育んだ絶景(北海道上川郡美瑛町)

北海道のほぼ真ん中、旭川市と富良野市の中間にある「美瑛(びえい)町」。この町の大雪山系十勝岳連峰のすそ野の緩やかで雄大な丘陵地には、小麦、ビート(砂糖大根)、豆、馬鈴薯(じゃがいも)、トウモロコシなどの畑が色とりどりに広がっています。その表情豊かな農村風景はため息ができるほどに美しく、別名「パッチワークの丘」と呼ばれています。

一般に「丘のまちびえい」として知られるこの美しい風景は、これまで、写真集、CM、ドラマ、映画、CDジャケットなどに度々使われ、行ったことはなくても、それらを通して美瑛の丘の風景に触れたことがある人は多いのではないでしょうか。

いわば、知られ過ぎている絶景とも言えますが、絶景の宝庫・北海道エリアの中で美瑛をおススメのひとつとして選んだのは、この絶景の誕生の背景をきちんと知り、その上でぜひ訪れてほしいからです。なぜ、美瑛の丘の風景が美しいのか? それは、毎年、"その表情を変え続けている"ことにひとつのヒントがあります。

実は農業地に適さなかった美瑛の土地

美瑛は、1894年に未開の地であったこの地に始めて開拓者が入り、人々の生活が営まれるようになった時からこれまで、一貫して農村地域としての道を歩んでいます。

しかし、開拓の手が加えられる前は、一面の原野で、アイヌの人たちも狩りに入る程度だったようです。土は十勝岳の火山灰、そして一帯が傾斜地であり、決して農業に適した地ではありませんでした。それは、美瑛の名の由来がアイヌ語の「ピイェ(油ぎった川、濁った川)」に由来することからもわかります。開拓者は「ピイェ」をなまって「ビエイ」と読み、これに「美しく、明朗で王者の如し」という意味の「美瑛」の漢字をあてはめたわけですが、実は、どの土地を掘っても濁り水が湧き出す地だったのです。

輪作農業が生んだ"今、この瞬間にしか見られない"パッチワーク模様

開拓者たちは、沢沿いの狭い土地に張り付くように家を建て、傾斜地を耕していきました。その営みは、噴火を繰り返す十勝岳との闘いの歴史でもあったようです。

そういった中で、美瑛の農家の人々が取った農業手法が「輪作(りんさく)」です。同じ作物を毎年同じ畑につくる連作に対し、年ごとに栽培する作物を変え、ひとつの畑で異なる作物を順につくる作付け方法です。輪作の利点として、輪作することで土の養分の偏りを防ぐ、また根粒菌がつくマメ科作物を入れることにより土の肥沃化を図るなど、土を維持する働きとともに、土壌病害虫の防除効果も大きいことが挙げられます。つまり、美瑛の人々は、農業に適さなかった土地で農業を発展させていくために、土づくりに特に力を入れてきたのです。

そしてこの輪作が、農家の人々も意図しないうちに、美しい絶景をつくりあげることにつながったのです。小麦、ビート、豆、馬鈴薯など、作物の違いによって区画ごとに畑の色が違い、一面同じ色ということがありません。これに丘陵地帯独特の波のように折り重なる丘の曲線がうまく作用し、パッチワーク模様と呼ばれる景色を生み出しているわけです。

さらに、年ごとに作付けされる作物の場所が変わるため、パッチワーク模様も毎年つくり変えられていき、見る人を何度でも魅了する"今、この瞬間にしか見られない"絶景が生まれています。パッチワークの丘は、自然景観ではなく農業景観。いわば、この地の農家の100年の営みの証といえるものなのです。

そのようなことに思いを馳せ、美瑛の美しい景色を眺めると、また違った楽しみ方ができるのではないでしょうか。

「点」と「面」をともに楽しもう

美瑛の観光のポイントは大きく2つ、「点」と「面」をそれぞれ楽しむことです。パッチワーク模様をさまざまな場所から鑑賞し、自分のお気に入りの「面」の風景を絵画のように写真に収めるのも、もちろんおススメ。また背景には十勝岳連峰を中心とする雪をかぶった山々があり、それらとのコラボレーションも必見の価値ありです。

一方で、タバコのマイルドセブン(現メビウス)のプロモーションに使用されたカラマツ林のある「マイルドセブンの丘」や、「クリスマスツリーの木」と呼ばれる丘にポツンと立つトウヒの木など、「点」も意識した旅の計画を立て、それらと畑の景観とのコラボレーションを楽しむこともぜひ。

神秘的な「美瑛の青池」にも

もうひとつ、最近の美瑛の話題の絶景スポットを紹介しましょう。美瑛には、「美瑛の青池(青い池)」と呼ばれるターコイズブルーの美しい水をたたえた池があります。美瑛の市街地から白金温泉に向かう途中にある小さな池で、2012年にはApple社のMacBook Proの壁紙に採用されています。

実はこの池、美瑛川を堰き止めてつくられた人工の池。1988年12月に十勝岳が噴火後、北海道開発局は火山災害から美瑛町を守るため、火山泥流を貯める施設としてコンクリートブロックによるえん堤を設置。ここに水が溜まり、いつの頃からか「青い池」と呼ばれるようになったのです。

付近の湧水と上流の白金温泉から流れ込むアルミニウムを含んだ水が混ざることによって生まれる成分が、この青さを放つ原因ではないかと言われていますが、水質調査を経てもはっきりと解明はされていません。

美瑛には、人々の暮らしと自然がつくりあげる美しい景観が、まだまだそこかしこに存在しているかもしれません。